Adobe Creative Cloud はいいサービスではないと思う。
なぜなら、これは企業が市場を独占しようとするものだからだ。
Creative Cloud が不思議なのは、なぜすべてのソフトを使えるようにしたのかということ。
Creative Cloud の意義が Adobe のいうように「常に最新技術を提供すること」なら、すべてのソフトを使えるようにする必要はない。
ユーザーが必要なソフトだけを選んでサブスクリプションに入り、その数に応じて料金を決めればいい。
ところが、Adobe のソフトなら何本使おうが 5000円/月。
単体のサブスクリプションも用意されているものの、価格が高めで 2,3 本に入るなら Creative Cloud に入る方がお得になるという実用性のないもの。
そして Creative Cloud は、Adobe のソフトをたくさん使う人ほどお得っていうサービスだ。
するとこういうことが起きる。
映像編集ソフトの購入を考えている人がいるとする。
Premiere と Edius を比較して、Edius に心が傾いていた。
でも Photoshop や AfterEffects も使っているので、Creative Cloud に入ることにした。
そしたら Edius は買わないだろう。Premiere が使えちゃうからだ。
つまり、Adobe は Premiere という製品単体の魅力ではなく「他の Adobe のソフトも全部使えますよ」という抱き合わせ販売によって、Edius のユーザーを一人奪う。
これでは、Edius 側がいくらいい製品を作っても報われない。
「企業は魅力的な製品を作り、消費者は欲しい製品を買う」というのが市場の基本だ。
前述のようなことが起こると、消費者が本当は欲しくない製品を選ぶという、おかしな事態になってしまう。
すると良い製品が消え、悪い製品が残り、結果的にユーザーの不利益に繋がる。
Adobe は Creative Cloud によって、市場を Adobeソフト一色に染め上げたいのだろう。
しかし他社による新規参入が難しくなり、グラフィックソフト市場が硬直化する恐れがある。
独占禁止法の「よくある質問」によると、独占禁止法の目的は
事業者は,自らの創意工夫によって,消費者から選ばれる魅力的な商品を供給しようと競争します。 市場には豊富な商品が提供され,消費者はそれらの中から,より自分の欲しいものを選べるようになります。
とある。
Creative Cloud が独占禁止法に引っかかるかは法律に詳しくないのでわからないけど、独占禁止法の精神に反するのは明らかだ。
独占禁止法では、抱き合わせ販売も禁止されている。
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