〔約2200文字|読了の目安:4.4分〕
あまり言われていないので書くけど、GIGAZINEやカラパイアやらばQなどは、海外サイトの記事を無許可で翻訳して記事にしている。
GIGAZINの例えばこれは、海外サイトの記事を翻訳し、画像/ムービーのキャプチャを自サイトのサーバーに転載している(YouTubeの埋め込みはたぶん規約でOK)。どこにも許可を取ったと書いていない。
カラパイアはこれ↓を見れば分かる(http://karapaia.livedoor.biz/archives/52111161.html)。
これらはもちろん著作権侵害で、具体的には翻訳権の侵害になる〈参考:著作権情報センター〉。
著作物を翻訳する権利は著作権者が持っているので、無許可で翻訳はできない。海外の雑誌を勝手に翻訳して発行したら駄目に決まっているので当たり前だ。
らばQには著作権についての記述はない。どうも文体を崩しているので翻訳ではないと考えているのかもしれないが、翻訳でないとしても翻案=要約だ。これには翻訳権と同様、翻案権がある。
それに他人のサーバーの画像を無許可で自サーバーにコピーするのは公衆送信権の侵害だ。他人が撮影した写真を、勝手に雑誌に載せたら駄目に決まっているので当たり前だ。
ところがどのサイトとも、その駄目に決まっていることを堂々と行い、アクセス数を稼ぎ広告収入を得ている。完全に違法だ。相手が海外だからバレないだろうと考えているわけだ。
翻訳は複数のスタッフが行っているが、無償で翻訳をする人が複数いるわけないから報酬をもらっているだろう。「非商用だから無許可でもいいと思った」という言い訳は通用しない。
非商用といえば、らばQはこんなことを書いている(http://labaq.com/archives/51019946.html)。
「アクセス増加や広告収益などの目的で」他人の記事を勝手に翻訳して公開している奴が何を言っているのだろうか。
よくある言い訳
上のカラパイアの文章にもあるけど、無断転載などをしているサイトで、どこの誰が使い出したか知らないが「著作権の侵害を目的とするものではありません」という言い訳をよく見かける。
当たり前だが、著作権の侵害を目的としていないからといって、著作権侵害が許されるわけではない。
そもそも著作権の侵害をする人、例えば海賊版の映画やアニメを公開したり観たりする人って、「よーし、これからこの著作権者の権利を侵害してやるもんね~。うっしっし」とか思いながら行為に及ぶのだろうか。違うだろう。お金を払うのが嫌だから結果的に著作権を侵害してしまうのだろう。
「著作権の侵害を目的として」著作権を侵害する人などそもそもいない。
こんな頭の悪い言い訳を使う人は「私は頭が悪いです」と宣言しているも同然なので考え直した方がいい。
本来は海外サイトに使用料金を払って翻訳するべきなのだが、その金と手間が惜しいから無許可でやっている。そしてその結果の利益は得ている。どう見ても泥棒だ。
誰しも著作権を侵害してはいるが
とはいえ、ネットを利用していれば誰しも多かれ少なかれ著作権は侵害しているものだ。
YouTubeには違法アップロードが大量にある。海外のコンテンツだとどれが違法か判断するのも難しいから、知らないうちに違法なものを視聴していることもあるだろう(現時点では視聴のみなら違法ではないが)。
SNSのアイコンに商業アニメの画像などを使う人も多いが、これによって著作権者の利益が大きく損なわれるわけではないから、侵害の程度は軽微だ(著作権者が不快を表明しているならもちろんやめるべき)。
だからといって、GIGAZINらが許されるわけではない。
同じ著作権の侵害でも、例えば二次創作の同人誌はOKだが 、海賊版(丸ごと複製)はNGといったように、ここまでならOK、ここからはNG、といった、世間の合意として大体の線引きがある(著作権侵害は親告罪なので訴えられないと問題にならない)。
GIGAZINらは、他人の著作物と知りながら意図的に無許可で利用して利益を得ているから、明らかにNGだ。これが許されるなら、中国の企業がたまにやらかす著作権侵害も許されてしまう。
GIGAZINEは他人に厳しく自分に甘い
GIGAZINEは、新聞やテレビといった従来のマスコミに批判的だが、そんなGIGAZINEが記事をアップした後に間違っていた箇所をこっそり修正するのを目撃したことがある。情けない連中だ。


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