〔約1000文字|読了の目安:2分〕
小規模なVTuberは配信にリスナーが来てくれてありがたいと思っているだろうが、リスナーはその弱みにつけ込み、常連面をし、そこを自分の遊び場にする。
小規模VTuberの閉鎖的な配信
小規模VTuberの配信はスナックのようなものだ。顔なじみのリスナーが集まり、ママ(VTuber)に日常の報告をしたり、趣味の話をしたり、仲間内でしか通用しない幼稚な冗談を言い合う。リスナーは「今日は何を食べた」「今日はどこに行った」「(話題に出たものについて)それは知らないなあ」など、他人にとってどうでもいい自語りを聞いてもらう。リスナーはVTuberに甘える。リスナーは幼児でVTuberは保母という「大人の幼稚園」だ。
そのような仲間空間を作るからこそ、リスナーはそこが心地よくなり、集まる。
これは常連のための閉鎖的な空間だ。
新規リスナーが来たら歓迎するので、閉鎖的ではない、とVTuberもリスナーも思い込んでいるだろう。だが、表面上だけ歓迎してみせても、新規リスナーが配信に馴染むにはその場のノリに合わせなくてはならない。どうでもいい常連の日常の話や、趣味の話や、仲間内でしか通用しない冗談を受け入れなければならない。これは外部の人間には興味がないものだ。
そのノリを受け入れられた人だけが残り、受け入れられなかった人は去って行く。これは開放的とはいえない。だがVTuberとリスナーはその場のノリに染まっているため、そのことに気づかない。
タダで働くVTuber
スナックのママはそのような客の内輪な話を聞くことを商売としてやっているが、小規模VTuberはスパチャの数も金額も少ないため、到底利益が出ない。
小規模VTuberの配信は、「VTuberの労力」と「リスナーが払う対価」がまったく釣り合っていない。なのになぜ配信をするのだろうか。
理由の一つは、将来への投資だ。
VTuberは、今は小規模でもリスナーを増やして実績を積めば、いつか大きな案件に繋がるという夢を追っている。だからリスナーが来るだけで感謝する。
ここにリスナーがつけ込む。
チャットするだけなら無料、スパチャをするにしても数百円~二千円程度でVTuberが甘やかしてくれる。リスナーは配信を格安のスナックとして利用できる。
VTuberの労力にタダ乗り、フリーライドする。
VTuberは夢のためにリスナーを集めているつもりが、リスナーに搾取される。自発的に「スナックのママ」を格安で演じ、リスナーに自分を搾取させる。
リスナーが常連ばかりになり、内輪になってしまうと、新規リスナーは増えない。VTuberとしての価値は高まらず、夢にも届かない。
だが内輪感に安住してしまったVTuberはそのことに気づかない。
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