Adobe は昨年10月の Adobe への不正アクセスについて、個人情報は流出していないという見解を示した。ユーザーからの問い合わせに対し答えた。
昨年10月の不正アクセス直後、ネット上には「Adobe ID に登録しているメールアドレスにスパムが来るようになった」「Adobe から連絡は来てないのに Evernote からメールアドレスの流出を知らせるメールが来た」という情報が溢れかえったが、それらを全て否定した。
Adobe によると、Adobe で調査した結果、不正アクセスを受けたデータは全て過去の履歴(現在は使われていない)であり暗号化されていた、従って個人情報流出はあり得ない。また、該当するデータのユーザーには全て連絡をした。すなわち、連絡を受けていないユーザーのデータは不正アクセスを受けていないということだった。
Evernote の件について尋ねると、他社の発表については関知しないと返答した。また、Evernote に対して問い合わせをしていないことも明らかにした。スパムメールが増えたという証言が複数あることについては、今回の不正アクセスとの因果関係は不明とした。
※今までの経緯
※参考リンク
お客様情報のセキュリティに関する重要なお知らせ - Adobe
Adobeから盗まれたユーザー情報がネット上で公開される
Adobeの個人情報流出のお知らせ、なぜかEvernoteから
Adobeへのサイバー攻撃、不正アクセスの影響は3800万人に
Adobe情報流出問題で100年企業を目指すEvernoteの対応に称賛の声
以下、だらだらとした余談
Adobe の対応を見て思い出したのは、スタジオジブリの紅の豚ならぬ紅のDVD問題だ。
最近『千と千尋の神隠し』のブルーレイが発売になったが、DVDみたいに赤くないとのこと。DVD発売時の「赤いのが正しい色だ」という主張が嘘だったと認めたわけだ。
ジブリが嘘をついているのは当時から大体わかっていたわけだけど、消費者は不満を言いこそすれ、ジブリへの不買運動などは起こさなかった。それは、DVDが赤いのも困るが、ジブリのアニメが観られなくなるのはもっと困るからだろう。つまりジブリに代わる企業が他になかったから、独占企業だったからだ。
今回の Adobe の主張も明らかに嘘なのだが、独占企業だから今回のような強硬な姿勢を取っているのだろう。実際、Adobe を非難する声が起きたのは不正アクセス直後だけだ。ネット上の話題は流行り廃りが激しいから、すぐに忘れ去られてしまう。こんな弱小ブログでいくら喚いたところで、Adobe は痛くもかゆくもない。
それにIT業界にはこういう問題を追及するマスコミもない。企業の運営するニュースサイトで今回の問題を取り上げた(上にリンクを貼った)所も、よく見ると海外のサイトの翻訳か、ネット上の情報を集めただけの記事だ。Adobe に直接取材はしていない。
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