東急ハンズでこんな物を見つけた。
よく「キーボードは便器より細菌が多い」だの「硬貨を触ったら手を洗え/実はそんなに汚くない」だの「図書館の本は汚いから消毒する/それは過剰反応だ、本が傷む」だのといわれるが、その根拠が薄弱なことが多い。
なのでこれで調べてみよう。
ただよく見ると、これは細菌の数を検査するものではなく、タンパク質を検出するものだった。タンパク質に反応して緑色になる。
タンパク質、つまり皮脂などが残っていると細菌が繁殖するから汚いという理屈だ。
細菌に反応する試薬というのは難しいらしい。
台所のシンク
一般家庭の台所のシンク。
少し汚れている。
台所の床
一般家庭の台所の床。
とてもきれいじゃないか。シンクの方が汚い。
シンクでは調理をするので、タンパク質が残りやすいようだ。
公園のトイレ
大本命だが、尿にタンパク質はあまり含まれないらしいので、大したことはないかも。
放尿する所ではなく、便器の外側を拭き取る。
めっちゃ汚い。期待を裏切らない結果。
この大量のタンパク質はどこから来たのだろうか。
キーボード
便器より細菌が多いといわれるキーボード。
ホコリも多かった。
便器より多いとまではいかないが、便器に迫る勢い。
今回は公衆便所と比較したが、普段から掃除されている家庭の便器と比べたら、キーボードの方が汚いかも。
先っぽしか色が変わってないが、これは主にキーの間に綿棒を差し込んだため。
硬貨
「汚い」の代名詞みたいなお金だが(二重の意味で)、ネット上には「それほど汚くない」説が見られる。実際はどうなのか。
黒くなっているのは綿棒でこすった時点でついたもの。緑色になっていないため、タンパク質はほぼない。
タンパク質が少ないので細菌も少ないかもしれないが、それ以外の汚れがあるので「汚くない」とはいい切れない。それ以外の汚れが何なのかは不明。
図書館の本
複数の本の表紙をこすった。
タンパク質汚れは少し。
こすった時点で少し黒くなったので、それ以外の汚れも少しある。
少々汚れている、といったところ。
まとめ
タンパク質で汚れている順番[汚い>きれい]
[公園のトイレ>キーボード>図書館の本=台所のシンク>硬貨>台所の床]
日常触れるものとしては、キーボードの汚さが噂通りの結果。これからは「硬貨/図書館の本に触ったら手を洗いなさい」と言うよりも強く「キーボードに触ったら手を洗いなさい」と言わねばなるまい。
ここでいう「汚れ」とはあくまでタンパク質(目に見えない、細菌が繁殖しやすい)のことであって、それ以外の汚れは考慮されていない。
しかし日頃「汚い」と言うとき、タンパク質(細菌)だけを指すわけではない。硬貨や図書館の本のように、拭いたら黒くなったり臭いがついたりするなら「汚い」といえる。だから「硬貨や図書館の本が汚い」という言説は間違っているとはいえない。
「汚い」という概念は主観が混じるもので、細菌の数だけで測れるものではない、という話がここに書かれている。
セイケツなお話 - オールザットウルトラ科学














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