ドキュメントスキャナー(紙送りするタイプ)を選ぶ際には、主に「読み取り速度」「一度にセットできる枚数」が基準にされると思う。
ただし実際に使うと他にも重要な機能がある。「読み取り速度」と「一度にセットできる枚数」は少し時間と手間を増やせば解決できることなので、他の機能の方が大事かもしれない。
ドキュメントスキャナーに欲しい機能
●カラードロップアウト
グレーで読み取る際、[R:レッド|G:グリーン|B:ブルー]のうちどれかを落とす機能。
レッドを落とすと、黄ばんでいる紙が白くなる。古本をスキャンするなら是非欲しい。
●半折り
二つに折った原稿を読み取る機能。
これがないと原稿が重なっていると検知され、スキャンが止まってしまう。
パンフレットなどをスキャンするときに役立つ。
●長尺モード
長い原稿を読み取る機能。
これがないと30~40cmあたりまでしかスキャンできない。
単行本の表紙を裁断せずにスキャンするには必要。
●モアレ除去
カラー/グレー原稿を読み取る際に必要。
ただしこの機能がなくても、倍の解像度でスキャンして加工することで同様の結果は得られる。
またこの機能があったとしても、性能が不十分な場合がある。
なので必須ではない。
●本体にスキャン継続ボタン
スキャン終了後に続けて原稿をセットするとき、本体にスキャン継続ボタンがあればすぐにスキャンを再開できる。
ない場合は、パソコンの所まで戻ってマウスを操作しないといけない。
●プリセット機能
スキャンの設定をプリセットにして記憶しておく。
これがないと原稿を変えるたびに設定を開いて解像度やカラーやらを入力しないといけない。
さらにプリセットがパソコン上だけでなく本体のボタンでも呼び出せると、スキャナーとパソコンの間を行ったり来たりしなくて済む。
●しっかりした受け皿
排出される紙の量が多いので、紙をせき止める仕組みがないとバラけてしまう。出しっぱなしにする受け皿は駄目。
富士通・PFUが誇る ScanSnap iX500A には、「カラードロップアウト」と「モアレ除去」がない。売れている製品だからといって機能が充実しているわけではないので気をつけたい。
ちなみにキャノンの DR-C240 には、上記の機能はすべてある。
また、中にはJPEGとPDFにしか保存できないというふざけた機種(富士通・PFUが誇る ScanSnap iX500A)もあるので、事前にマニュアルをダウンロードして調べた方がいい。高価な買い物なのだし。
それらを抜きにしても、富士通・PFUが誇る ScanSnap iX500A には「JPEGノイズが多い」という重大な問題があるのでまったくおすすめしない。
参考:ScanSnap iX500A は 300dpi 以下でスキャンするとすごく汚くなる
ドキュメントスキャナーの欠点:歪む
家庭用のドキュメントスキャナーは画質が落ちる、なんてアホなことを言うのは株式会社PFUくらいで、実際はそんなことはない。
キャノンのドキュメントスキャナー DR-C240 を使用しているが、画像のシャープ/ボケ具合、色の再現度、JPEGノイズの量、いずれもキャノンのフラットベッドスキャナー(平らなタイプ) Lide 210 と変わらない。
ただし1つ問題点がある。ドキュメントスキャナーはスキャン中、原稿が宙に浮いているので、歪む。
同じ原稿を2回スキャンして並べてみればわかる。
『ハルヒ主義』©谷川流・いとうのいぢ/角川書店
文字原稿なら問題ないが、大事な画集などをスキャンするときは、手間がかかるがフラットベッドスキャナーで原稿を1枚ずつスキャンした方がいい。

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