本を解体した後はスキャンする。
スキャナの所定の枚数ごとに原稿をセットする* 。枚数の他に高さにも制限があり、厚い紙だと高さが制限を超える場合がある。
*: 例えば60枚までの場合、60ページごとではなく120ページごとなので注意。当初間違えて半分の枚数ずつ作業していたから何度もこれを書くわけでは決してない
受け皿を引き出す
受け皿は、原稿全体がちょうど収まるくらいに引き出すとうまく散らばらないようだ。また数段階に分かれている場合、大きな段から引き出すと紙が引っかからない様子。
↓このようにストッパーがあれば立てる。ストッパーがないスキャナは、紙がばらけないか購入前に確認した方がいい。
白黒の原稿をスキャン
白黒の原稿とは、印刷がモノクロ二値の、アミ点を使っていない原稿。小説や白黒の漫画など。
これはグレーの300dpi程度でスキャンする。
黄ばみを消すために、赤チャンネルを落とせるスキャナは落とす。
印刷の種類とスキャンの解像度についてはこちら → 自炊の解像度はいくつにするべきか
白黒(データがモノクロ二値。白と黒のみ)でスキャンできるスキャナもあるが、それだと中間のグレーが使えないためガタガタになってしまうし、ファイルサイズが大して減るわけでもない。
カラー(グレー)の原稿をスキャン
カラー(グレー)の原稿とは、アミ点を使った原稿。
モアレが出るため、以下のいずれかを選ぶ。
A. モアレ除去を使用して、カラー(グレー)の300dpi程度でスキャンする
B. モアレ除去を使用せず、カラー(グレー)の600dpi程度でスキャンする
スキャナのモアレ除去機能が使用できる場合は、Aで良い。
スキャナにモアレ除去の機能がない場合、あっても性能が低い場合はBを選ぶ。
例えばこれ↓はDR-C240とLide210* のモアレ除去を比較した画像だが、
DR-C240のモアレ除去は性能が不十分だ。
人力モアレ除去
Bの場合、画像加工ソフトでモアレを除去する。
●手順
・アミ点が潰れる程度に(1~2pixel)ぼかす
・半分の解像度(面積比1/4)に縮小する
・ぼけた分、アンシャープマスクを軽くかける
「モアレ除去 Photoshop」などで検索すると詳しく出てくる。
複数の画像をモアレ除去するには、XnConvert のような一括画像処理ソフトを使う。
*: DR-C240:キャノンのイメージスキャナ(紙送りするタイプ)。Lide210:キャノンのフラットベッドスキャナ(平らなタイプ)
色数の少ないカラー原稿をスキャン
色数の少ないカラー原稿とは、図解雑学シリーズのような2色刷りなどのもの。
引用元:『図解雑学 刑法 第三版』船山泰範/ナツメ社
カラー原稿なのでアミ点が使われているのだが、モアレ除去あるいは600dpi程度でのスキャン速度は遅いため、200~300ページある本の全体に行うとかなり時間がかかってしまう。
この場合、以下のような方法がある。
●モアレ除去を使用せず、カラーの300dpi程度でスキャンする
モアレが出るのを承知で、300dpi程度でスキャンする。カラーが部分的なら問題ない。
●カラーの400dpi程度でスキャンして、後で軽めにモアレ除去する
400dpi程度でスキャンし、軽めにボカして300dpi程度に縮小する。これでもある程度モアレは除去できる。
カラーがあまり重要ではないカラー原稿ならこれでいい。
画像のサイズは自動にする
スキャン後の画像のサイズ(大きさ・ピクセル数)の指定方法は、
- 事前に指定する(A4とか2480×3508pixelとか)
- 原稿のサイズに自動的に合わせる
の2つがある。
事前に指定するとすべての画像が同じサイズに揃えられるが、原稿によってサイズは微妙に変わるので、必要な所が切れたり、不要な余白が出来てしまったりする。それに、いちいち原稿の大きさを測ってピクセル数を割り出すのも面倒くさい。
原稿のサイズに合わせると切れたり余白ができたりはなくなるが、ファイルごとにサイズがまちまちになる。これは後処理でトリミングすればいいので、スキャン時はこちらを選ぶ。
問題なくスキャンできたか確認する
スキャンで起こりうる問題は、
●縦筋が出ている
読み取り部が汚れている。
気づかずにスキャンを続けると全部やり直しになるため、スキャン中に画像を画面に表示して確認する。
古い本・質の低い紙は劣化してゴミが出やすい。
カラー原稿は縦筋が入りやすいので、スキャン前に清掃しておく。
●画像の上下の一部が伸びている
原稿が滑るか何からしい。
伸びた画像だけ縦長なので、ファイルをサイズ順に並べると見つけやすい。
●画像の四隅の余白が広がっている
原稿のサイズが特定できていないのだろうか。画像の一部が伸びるのと同時に起こるので、原因も同じっぽい。
スキャナの設定に不適切なところがないか確認する。通常サイズの原稿なのに長尺モードをオンのままにしているとか。
スキャナを掃除する
画像に縦筋が出ないよう、ローラーと原稿読取り部のガラスを掃除する。
●清掃剤(2018/7/1 修正)
手軽な清掃剤というとエタノールだが、ローラーのゴムを痛めるらしいので使えない。
スキャナ用の清掃剤が売っているが、DR-C240の説明書には水を絞った布で拭いてくださいと書いてある。
DR-C240に液晶ディスプレイ用の清掃剤を使っていたところ、カラー原稿が滑るらしく、一部が伸びたり大きい余白がついたりした。水で拭き直したら直った。推奨されていない清掃剤を使うのは慎重になった方が良さそう。
汚れの大半は紙くずで、皮脂汚れではないので、水で十分なのかもしれない。
●拭く紙
ティッシュで拭くと破れてゴミになるので、ネット上ではキムワイプが推奨されている。ヨドバシや東急ハンズの一部の店舗で売っている。
買いに行くのが面倒ならエンボス加工のキッチンペーパーでもいいと思う。ただしキムワイプよりは破れやすい。
●エアダスター
ゴミやほこりを飛ばす。パソコンショップで売っている。猫が驚くので、傍にいるときは使えない。




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